過払い金請求ができる!?「グレーゾーン金利」とは
「グレーゾーン金利」という言葉はご存知でしょうか。
グレーゾーン金利はかつて法律の抜け穴となっていた金利条件のことで、過払い金請求ブームの火付け役ともなったものです。
このグレーゾーン金利について以下でわかりやすくご紹介していきます。
グレーゾーン金利とは?
グレーゾーン金利を説明する上で、まず利息制限法と出資法の2つの法律をご紹介します。
■利息制限法とは
利息制限法とは1954年に施行された、金銭貸借に対しての利息を定めた法律です。
利息制限法の場合、貸借の額に応じて以下のような上限金利が設けられていました。
・元本が10万円未満の場合、上限20%
・元本が10万円以上100万円未満の場合、上限18%
・元本が100万円以上の場合、上限15%
この上限以上の金利で貸付を行った場合に違法となります。
ただし特筆すべきは、違法ではありますが罰則の対象にはならないということです。
■出資法とは
出資法は1954年に施行された、金融業者の高金利の貸付を制限するために定められた法律です。
出資法では金利の上限を29.2%と定めていて、超過して貸付を行った業者は罰則の対象となります。
罰則は5年以下の懲役、または1,000万円以下の罰金が課せられます。
改正法施行前の2010年6月17日(平成22年6月17日)までは利息制限法と出資法、この2つの法律で金銭貸借の金利が管理されていました。
ただこの2つの法律では29.2%以下の金利の貸付は実質、罰則の対象となりません。
このため罰則を受けない29.2%以下ギリギリの金利で貸付ける業者が蔓延していました。
この法律の抜け穴を突き、罰則を受けないギリギリの金利での貸付を「グレーゾーン金利」と呼びます。
なお2010年6月18日に大きな法改正があり、改正貸金業法および改正出資法が新たに施行されました。
改正貸金業法および改正出資法
2010年6月18日に施行された、金銭貸借に対しての利息を定めた新たな法律です。
改正貸金業法および改正出資法の場合、貸借の額に応じて以下のような上限金利が設けられています。
・元本が10万円未満の場合、上限20%
・元本が10万円以上100万円未満の場合、上限18%
・元本が100万円以上の場合、上限15%
なお、それを超過して貸付を行った業者は処罰の対象となり、営業停止処分や5年以下の懲役又は1,000万円以下の罰金が課せられます。
この改正貸金業法および改正出資法が施行されたため、現在グレーゾーン金利は消滅しました。
グレーゾーン金利と過払い金請求
世間的にブームになった「過払い金請求」は、このグレーゾーン金利で払いすぎていた金利を取り返せるというものです。
改正法施行前の2010年6月18日以前までに支払っていた分で、現在では違法とされるグレーゾーン金利分の支払いがある方がいるでしょう。
この過払い分は司法書士や弁護士に相談すれば、金融業者から取り戻すことが可能です(ただし別途細かな条件はあり)。
この過払い金請求が原因となり、多くの金融業者が倒産や経営危機に追い込まれました。
グレーゾーン金利とは一時期まかり通っていましたが、今では違法となる金利条件です。
2010年6月18日以前までに金銭の借入れを行っていた方は、グレーゾーン金利により過払い金が戻ってくる可能性がありますので、心当たりのある方は司法書士や弁護士に相談してみると良いでしょう。